
防災の話題になると「水・食料・避難場所」はよく語られますが、
「火」については誤解されたまま備えられていることが多いのが現実です。
ここでは、防災初心者が特に勘違いしやすいポイントを整理します。
勘違い①「災害時は火が使えないもの」
「災害時=火気厳禁」というイメージを持つ人は多いですが、
完全に火が使えないわけではありません。
実際には、
-
自宅避難で安全が確保できている
-
屋外や十分に換気できる場所
-
消防・自治体から特に制限が出ていない
こうした条件下では、
カセットコンロや固形燃料などが普通に使われるケースも多いです。
「絶対に使えない」と思い込むと、
火を前提にした備えそのものを放棄してしまいがちです。
勘違い②「火がなくても困らない」
確かに、非常食の多くはそのまま食べられます。
しかし、火があるかどうかで生活の快適さは大きく変わります。
火があることでできること:
-
お湯を沸かせる(カップ麺・レトルト)
-
温かい食事がとれる
-
煮沸による衛生対策ができる
-
冬場の精神的な安心感
特に避難生活が長引くほど、
「温かいものを口にできるかどうか」は想像以上に重要になります。
勘違い③「電気があれば料理できる」
停電時はもちろんですが、
仮に電気が復旧していても調理に電気を使えるとは限りません。
-
IH調理器は消費電力が大きい
-
電源は照明・通信を優先すべき場面が多い
結果として、
災害時の調理は「電気より火」の方が現実的なケースが多いです。
勘違い④「どの燃料も同じように使える」
火が出る=同じ、と思われがちですが、
燃料ごとに性質は大きく異なります。
例えば、
-
カセットガス:火力は高いが、熱を近づけたり直射日光で爆発の危険性あり
-
固形燃料:火力は弱いが安定している
-
アルコール燃料:引火性や誤飲のリスクが高く、初心者には注意が必要
「安全」「簡単」「初心者向け」はイコールではありません。
自分の理解度や使う場面に合った燃料を選ぶことが大切です。
勘違い⑤「一度も使わずに本番で使える」
意外と多いのがこの考え方です。
-
開け方が分からない
-
火が付かない
-
風で消える
-
どのくらい加熱すればいいか分からない
これは本番で初めて使うと、
想像以上にストレスになります。
防災用の火は、
「非常時に使うもの」
=「平時に一度は試しておくもの」
という認識が重要です。
勘違い⑥「火は危険だから備えない方がいい」
確かに火は危険を伴います。
しかし、理解せずに使うことが危険なのであって、
正しく備えれば有用な道具です。
-
無理に高度な燃料を選ばない
-
使用条件を守る
-
子供の手の届かない場所で管理する
こうした基本を守るだけでも、
リスクは大きく下げられます。
まとめ:火は「使わない前提」より「使える選択肢」
防災用の火について大切なのは、
-
使える・使えないを極端に考えない
-
条件付きで使えるものとして理解する
-
自分のレベルに合った備えをする
という考え方です。
火は必須ではありませんが、
あれば確実に助けになる場面がある。
「危ないからゼロ」ではなく、
「理解したうえで最小限備える」
それが防災における現実的な火との付き合い方です。